デフレスパイラル
将来、品物の値段が下がると考えられる(デフレ)場合、同じ品物を今買わずに値段が下がってから買った方が得だと消費者は考え、買うことを先延ばしにする。インフレの場合には逆に、値上がり前の今買っておこうとする。
ところが、景気が悪いときにデフレになることがほとんどなので、皆が将来の値下がりを予想して買い控えると、ますます景気は悪くなってしまう。この悪い予想が、さらに悪い予想を呼ぶ悪循環をデフレスパイラルと呼ぶ通常の景気悪化のメカニズムには、在庫が積み上がれば価格メカニズムが緩慢にではあっても(例えば1年から2年かかっても)働き、最終的には、工場などの稼働率の調整から在庫調整が進み、下がりきった価格が上がり、次第に生産側の利潤が上がるようになるという循環的な景気回復のメカニズムが含まれる。しかし、デフレスパイラルにはこのような自立的な回復のメカニズムは(原理的には)含まれていない。つまり放っておけばデフレスパイラルの状態から脱することができるというわけではないということである
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